犬用歯ブラシ

この記事は  TCU-CTRL場外乱闘 Advent Calendar 2018 1日目の記事です。
最初の記事がこんなのでいいのかとも思いますが、歴史に見られる通り先制攻撃は重要なので
最初がこんなもんでも構わないでしょう。

 

はじめに

人類は、一匹の猿が木の棒を持ち始めてからというもの、様々な道具を使ってきた、石器から始まり、果てには宇宙船に至るまで、人類の進化の歴史は道具の進化の歴史といっても過言ではないほどの数多くの道具を作り出してきた。そんな中でも日常で使う道具は数多くあり、ここで挙げていくときりがない。今回自分が注目したいのは歯ブラシである。


それはなぜか?口臭である。


人の臭いというのは第一印象に関わってくる部分であり、最近ではスメルハラスメントなどという言葉も出てきているほど人間は匂いに敏感だ。口臭となれば会話する際に自然とだだよってくるもので、にんにく入りのラーメンを嗜む諸兄にはなかなかきになる部分であろう。

そういう意味で歯ブラシなのである。

歯ブラシ

定義

まず理系チックに始めると、考えるべきなのは歯ブラシをどう定義するかということである。拙い私の説明で言うよりもここではみんなの大先生たるwikipedia先生に説明していただこう。

 

 歯ブラシ(はブラシ)は、歯磨きもしくは入れ歯磨きに使用する、小型ブラシである。歯刷子(はさっし)とも言う[1]。一般的な製品は柄の先端の片側に数十本ごとに束ねられた繊維が複数植えつけられていて、その摩擦によって歯垢などの汚れを落とす。

歯ブラシ - Wikipedia

 
なるほどといった感じである。主な目的は歯を磨くことに集約されそうだ。

 

歯ブラシの歴史

次に歴史を見ていこう。ドイツの詩人ゲーテ曰く、「三千年の歴史から学ぶことを知らぬ者は、知ることもなく、闇の中にいよ、その日その日を生きるとも。」ということである。

ところで、私は歯ブラシの専門家ではないのでまたwikipedia先生にご登壇いただく。

 古来は歯を磨くには楊枝を使った。これは爪楊枝ではなく房楊枝と呼ばれるもので、細い木の枝をブラシのように一方の端を噛み砕いて使用した。
楊枝で歯を磨く習慣がいつから始まったかは不明だが、仏典に釈迦が楊枝を使って地に投げたところたちまち根づいて大木となった話があり、当時既に楊枝が使用されていたことがうかがわれる。
日本でも歯ブラシが一般化するまでは房楊枝が一般的に歯磨きに使用されていた。
アメリ歯科医師会によると、1498年に中国の皇帝が豚毛を骨の柄に植えつけたものを歯磨きに使用したものが、最初の歯ブラシであるとしている。
しかし1223年に宋に留学した禅僧の道元が現地における「くちすすぐともがらは、馬の尾を寸餘にきりたるを牛の角のおほきさ三分ばかりにて方につくりたるがながさ六七寸なる、
そのはし二寸ばかりにうまのたちがみのごとくにうゑて、これをもちて牙歯をあらふ」習慣を記述しており[5]、実際の歴史はさらに古いものと思われる。
17世紀ごろからヨーロッパでも使用されるようになるが、19世紀に大量生産されるようになるまで一般的ではなかった。
1872年に大阪において鯨のひげの柄に馬毛が植えられた「鯨楊枝」が製造販売され[6]、1890年に大阪盛業株式会社が「歯刷子(はぶらし)」の名称で第三回内国勧業博覧会に出品する[6]。
1903年大正3年)に小林富次郎商店(現在のライオン)が「萬歳歯刷子」を発売。1938年2月24日にはデュポン社がナイロン製の歯ブラシを初めて売り出した。

歯ブラシ - Wikipedia

 

この記述を見る限り古くは13世紀、少なくとも15世紀から歯ブラシというものがあったということになるため、
人類は500年近く歯ブラシを使っていることになる。

ここまで歯ブラシのことについて見てきたが、とりあえず歯ブラシについての知識はある程度手に入れることができた。
さてここからは本題に入ろう。

犬用歯ブラシだ。

 

犬用歯ブラシ

 私は正気である。じゃあなぜ正気の人間が犬用歯ブラシに興味を持ったのか?

それはTwitterに流れてきたある漫画のせいである。リンクを貼っていいものか迷うので今回は止めるが、その漫画は「犬用歯ブラシを間違って使ってしまったキャラクターがその便利さに惚れてしまい、後から犬用と指摘され赤面」というような内容だった。
その際、犬用歯ブラシの便利さを語るシーンがあるのだが、まるで使ったように語っている。


その描写を見て「本当か?本当に便利なのか?」と思うのは自明であろう。しかし、作者のtwitterを探してもレビューのようなものは見つからない。

 

それならとGoogleで検索して見ても使ったやつがいないのである。

 

ところで、今現在(2018/12/1)の日本の人口は1.2億人、その中でインターネットの利用者数は76%の9160万人であるらしい。9000万人もいて一人も犬用歯ブラシを使ってレビューしていないのである。
いろんなタイプの変態がいるインターネットの世界で、だ。

 

それはおかしい。

 

しかも今見てきたように人間は500年もの間歯ブラシを使ってきた。犬用歯ブラシが本当に現在の歯ブラシより便利なら良い発見であることは確かだ。
今の歯ブラシが歯ブラシのイデアであることもあるまい。

 

なら使ってみようとなるのが人間の探究心というものだ。私は正気である。

 

というわけで自分で実際に使ってみよう。「百聞は一見にしかず」だ。

 

用意するもの

ここに犬用歯ブラシがある。りぶさん(@g_s_sequence)から誕生日プレゼントでもらったものだ。

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異様な威圧感を放つ歯ブラシ

先ほど話したtwitter漫画に出てきたものと同じ形のものだ。実際に使ってみよう。
まず素で磨いてみる。次に自分が普段使用している歯磨き粉とともに使用する。
それで使用感を確かめ、感想を述べたいと思う。

 

感想

それで実際に使ってみた。結論から言おう。

 

 

使いづらい

 

もう一度言おう、使いづらい

 

使いづらいのである。私は悲しい。

というわけで、どう使いづらいのかここから説明していきたいと思う。

 

その1

まずはこれを見てもらいたい

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メインの歯ブラシ

一回り大きい。つまりでかいのだ。説明不要。

どのくらい大きいのかというとこの通り、親指くらいの幅がある。

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大は小を兼ねると言うが大きいとグーフィーの家にも入れない

「それがどうした!」と言われるかもしれないが、試しに親指を口の中に入れてみてほしい。

 

前歯を磨くだけならいい、しかしちょっと奥に入れてみると微妙に大きいのだ。これがなんとも使いづらい。

 

しかも大きいと逃げ場が見つからず、歯茎に当たるのだ。痛い。これが第一の原因である。

その2

大きいならば逆側の小さい方を使えばいいと思うかもしれない。

この小さいほう、小さすぎるのである。要するに磨く効率が悪いのだ。

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歯に対してブラシが小さすぎるだろ

これでは定義たる歯を磨くことが難しくなってしまう。さらに大きい方を使った後だと
唾液が柄の部分まできていて汚いのだ。

その3

また、再び

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この形を見てもらいたい。

 

ブラシ側が反った形になっている。これが微妙な使いずらさを誘発している。
歯を磨くときはいいのだが問題は裏側を磨くときだ。下の図を見てもらいたい。

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パワポで作成とか卒論かよ

このように歯の裏側を磨くには角度がきつくなってくるのである。

 

 

その4

小さい方も大きい方も全体の形も使いづらいとなるともう打つ手がないが
実は先述したtwitter漫画にはオチがある。犬用だと知ったキャラクターが恥ずかしながらも興奮してしまうオチだ。
これならば、そういった充足感を得るために使うということもできそうだ。

 

だが、よく思い出してもらいたい。歯ブラシの定義は何だっただろうか、端的に言えば歯を磨くことだ。性的興奮を促すものではない。
しかも、漫画ではキャラがかわいいので良いがよく考えてみてほしい。我々が歯を磨くとき何をするのかを。

 

そう、洗面所に立つのだ。そこには十中八九鏡がある。そこに立っているのは自分なのである。(自分の場合デブで眼鏡のヒゲだ)


自分の顔を見ながら性的興奮が得られるかといえばそんな奴はまれであろう。
ましてや歯を磨くというメンテナンス行為だ。出来栄えの確認のためにいったんは見る必要があるのだ。
これでは目をつぶってすむ問題ではなかろう。

結論

最初に言った通り、犬用歯ブラシは使いづらかった。少なくとも自分としては普段使いの歯ブラシのほうがよかったのだ。

悲しい結末である。犬用歯ブラシは所詮犬用でしかなくイデアに近づくことはできなかった。

しかし上記の理由は実はある視点が抜けている。

 

それは他人に磨かれるという場合だ。

まあ犬用だしな、他の道具が使える生命体にされること前提だろ。


そこには形も大きさも良い方向に左右してくれるかもしれない。

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効果的な磨きベクトル

だがそこを検証することは正気を疑われるため不可能だ。私は正気である。

おわりに

ここでは犬用歯ブラシについての感想を述べた。
ここまで読んだ物好きの諸兄に新たな知見を与えられれば幸いである。

次回のAdvent Calendarの記事は新たな人間が来ない限りはなななくん(@titn_nanana)なので、よろしくお願いします。

何だこの記事。